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2019年10月27日

銀杏。Ginkgo Nuts

自宅周辺には、車道とは完全に分かれた歩道があります。

車道と歩道の間は、約1メートル幅の芝生地帯(Boulevard)となっており、安心して、安全に歩道を歩けます。

この約1メートル幅の芝生地帯(Boulevard)には、街路樹も等間隔に植えてあります。
結構大きな街路樹も多く、街は緑にあふれています。

街路樹の中には、いちょうの木もたくさんあります。
いちょうの葉っぱは他の木にはない、特別な形をしていて、とてもかわいいですね。
私は大好きです。
そして、黄色く色づいたいちょうの木を眺めるのも、大好きです。

いちょうは、干ばつや病害虫に強いと聞きます。そして、とても長生きするそうです。
おそらくそういった理由から、街路樹にも選ばれるのでしょう。

が……今日の写真をみて、ピンときた方も多いかと思いますが…

そう。枝に実っているのは、いちょうの実ぎんなん」です。
それも鈴なりです。

ぎんなんのなったいちょうの下を通ったことのある人なら、きっともうお分かりでしょう…。
このぎんなん、ちょうど今の時期、送り迎えやお散歩の、悩みの種……。

これだけのぎんなんを実らせたいちょうの木の下は、当然ながら、熟したぎんなんの実が散乱し、あの独特の臭みと、実のべとべとが一体に広がっています。

どうにか直接踏まないように気を付けて歩くものの、散歩から帰ると、ストローラーのタイヤや靴が臭い…。ストローラーを置く車庫も臭い。靴を置く家の中まで臭い…。
あまりにもたくさんのぎんなんが歩道に落ちていて、もう踏まずに歩くことは不可能です。

そしてミネソタは、11月に入ると、おそらく雪が積もります。
ぎんなんが散乱したままの歩道の上に雪が降ると、匂いが和らぎます。
でも…まだまだ本格的な冬ではないので、数日後に温度があがって雪が解けると、再びこの匂いも復活するのです。

いちょうには、雌と雄があるはずですが、なぜ、我が家周辺のいちょうは、雌ばかりなのでしょうね?
碁盤の目のようになった住宅街なので、回り道はいくらでもあります。
でも、どこを通って散歩に出かけようと、ぎんなんを避けることはできません…。

ところで、、、日本人にとってのぎんなんと言えば、茶わん蒸しに入れたり焼きぎんなんにしたりして食べる、「食べ物」ですが、、、アメリカ人のサブローさん曰く、一般的にアメリカでは、ぎんなんを食べる習慣はないそうです。

あの臭いぎんなんを食べようとなど、思ってもみない…のかもしれません。

そういえば、日本に遊びにきたサブローさんの友達に「これはなに?」と茶わん蒸しの具を指差して聞かれて、「いちょうの実だ」というと、ぎょっとした顔をされたことがあります。

でも、サブローさんの兄嫁さんの場合は、比較的苦手な食べ物が多いにも関わらず、日本に遊びに来た際、私の父と一緒に、石油ストーブの上で焼いたぎんなんを「おいしい、おいしい」とぱくぱく食べながら、ビールを飲んでいました…。

あ、思い返せば、あの時、サブローさんは初めは何の実かは言わずにおいて、「おいしいから、まず食べてごらん。きっと好きだよ」と言っていた気が。。。
当時、アメリカ人はぎんなんを食べないとは思いもしなかったから、何も不思議には思わなかったけど、サブローさんは「いちょうの実」というと、きっと食べないってわかってたんですね…。
今更納得。

干ばつや病害虫にも強く、長生きするいちょうの木が、近所からなくなることは期待できそうにないけれど、将来、アメリカで、ぎんなんを食べるブームが到来する可能性は、なきにしもあらず?かな?

そうしたら、新しい特産品として、この地域、街路樹でひと儲けできるかもしれません…。ね?
付随して、市が採用するぎんなん拾いの季節労働も発生し、歩道もきれいになって、一石二鳥。

ぎんなんブームが、待ち遠しいです…。