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2019年9月12日

金メダル。Gold Medal

春子と私の、8月の家庭工作。「金メダル」
アメリカの公立小学校の新学年は始まったばかりですが、我が家の春子は、スクールバスから降りてから寝るまで、機関銃のように一日のことをしゃべり通すので、学校の様子も結構把握できます。

それによると、現在、学校では、普通の授業も行いつつ、合間に「テスト」が行われているようです。

でも、私のアメリカの学校についてのあまりに少ない知識では、ちんぷんかんぷんの箇所が多々あり過ぎて、途中でなんのことやらさっぱりわからなくなってしまいました。

そこで、ミネソタ生まれミネソタ育ちのサブローさんに、少し教えてもらいました。
(注意:他の州ではいろいろ違うのかもしれません)

まず、テストは秋、冬、春の年3回行われます。

私が知る範囲での日本の公立学校のテストとは、学期半ばまたは学期末などに、それまでに習ったことを理解しているかどうかを判断するためのテスト、ですが、アメリカの公立学校で行われるテストは、それまでに習ったことを理解しているかどうかの判断だけが目的ではないようです。

もう一つの目的は、各生徒の各分野のレベルを知ることです。


どういう意味かというと、日本のテストはそれまでに習った範囲しか出ませんが、このアメリカのテストでは、習った範囲を超えて、できるところまで延々とレベルを上げて、「その生徒のレベル」に到達するまでテストが行われるからです。逆もしかりで、習った範囲では難しすぎるようなら、延々とレベルを下げて、「その生徒のレベル」に到達するまでテストが行われます。

テストは全教科に対して行われるようですが、春子が話していた「本読みテスト(Reading Test)」に限って、サブローさんに詳しく聞いたので、ここでは本読みテスト(Reading Test)を例にしてみます。

まず、テスト用の本があり、各本は細かくレベル分けしてあり、それぞれのレベルがどの学年相当のものであるかが決まっている。(これはあくまでも例ですが、例えばレベルAからBまでが幼稚園のレベル。レベルCは小1レベル。そればZまであって、Zは中2レベル、という具合)

本読みテストの仕方は…
まず、与えられた本を生徒が音読する。
先生は、読み間違いの数と、読後の質問の正解率などを元に、その本がその生徒に対して難易度(レベル)が妥当かどうかを判断する。
その生徒には難しすぎる本だと判断したら、難度(レベル)の少し低い本を与えて、もう一度音読させる。
その生徒に対して簡単すぎる本だと判断したら、難度(レベル)の少し高い本を与えて、もう一度音読させる。
その生徒に対して、妥当の難易度(レベル)の本が見つかるまで、つまり生徒の現在のレベルに到達するまで、テストが続く…という具合。

そして、さらに日本と大きく違うことが登場します。
各生徒のレベルを把握したら、クラス内でレベルごとにグループ分けされ(つまり各グループのメンバーは、同程度のレベルの生徒の集まりとなる)各グループのレベルに合った教材が使われる・・・!ということ。(そういったレベル別での勉強は、一日中ではなく一定時間だけのようです)

本読みを例にすると、ある一つのテーマをクラス全員で勉強していく場合、各グループの持っている本は、同じテーマについて書かれた本でも、書き方や単語のレベルが違うということ。
(あ、だから、教科書がないのね……)

テストでは、3年生が1年生のレベルと判定される場合もあり、3年生でも5年生のレベルと判定される場合もあるわけですが、学校は、その各生徒の現時点のレベルをより高くすることを目標としているわけです。

私が知る範囲の日本の公立学校は、学年相当のレベルにその学年全員が到達することが目標だと思いますが、3年生でも5年生のレベルがある生徒を、さらに6年生のレベルにまで上げることを目標に挙げてはいないと思います。(私は完全に昭和の人間なので、現在は違う公立学校もあるのかもしれませんが…。)

しかも、グループ分けした時点で、誰がレベルが高いか(もしくは低いか)一目瞭然というわけですよね…。

アメリカでは、何か特定のことに対してレベルが低くても、それはみんな得手不得手があって当然なのだから何も恥ずかしがる必要はなく、「そのレベルからいかに伸びたか」が大切ということなんでしょうね。

本読みが苦手でも、運動ではスーパースターかもしれないし、算数が苦手でも国語は得意、勉強が苦手でも歌は好き。
どれも、ごくごく当たり前にそこら中にあることです。

人間は、一人として同じ人なんていません。
苦手分野があれば、今のレベルをそこからもっと上げる努力と工夫をしていく。
得意分野があれば、今のレベルをさらにそこから上げる努力と工夫をして当然で、それを歓迎する社会。
つまりこの国では、出る杭は打たれないわけですね。

今日の写真は、なぜか数か月間ずっと、春子が作りたい!作りたい!と連発していた「金メダル」

この夏、春子と一緒に段ボールで作りました。
しかも、春子の注文は、ただの金メダルではなく、金メダルの中に小物入れが欲しい!とのこと。
そこで、サブローさんの工具入れから、ナットとボルトを拝借して、ずらして開閉できるようにしました。

作り方。

  1. 段ボールを3枚丸く切って、一枚だけ中身をくり抜く。
  2. 1の片面に金色の色紙を貼る。
  3. 中身をくり抜いた丸型を2の金色でない方に重ねて糊付け。
  4. もう一枚丸型の片面に金色の色紙を貼る。
  5. くり抜きを真ん中にして全部重ねて、上部にボルト用の穴をあける。
  6. 穴にボルトを通して、ナットをしめる。
  7. ボルトとナットの部分に、リボンをひっかけて、リボンを輪にしてできあがり。


デザイン(配色や飾りつけ)は春子担当。
私はどうやったら、春子の望むデザインになるか…もっぱら、職人です。
(本当は、春子にこの部分を自分で考えて、自分で工夫して作れるようになってもらいたい……。私がいつもやってしまうのが悪いのですが)

金メダルが出来上がると、春子が「ダイヤモンドの形を書いて」というので段ボールに青いペンで書いてやったら、それを赤で塗って切って、金メダルの中の小物入れに入れました。


金メダルの中身はダイヤモンド。
それも個性的な色のダイヤモンド。

磨けばみんなダイヤモンドで、みんなそれぞれの色で輝いて、誰でも金メダルを取れる…。
今日の日記を書きながら、この工作のことを思い出しました。

4 件のコメント:

  1. ヨッシー9/15/2019

    ステキな金メダルですね。2020年は日本でオリンピックだから本物のメダルも決まったみたいですよ。アメリカの学校のシステムは日本とはかなり違うのですね。日本でも算数などは中学年くらいから能力別クラス分けをしてる学校もありますよ。どちらもそれぞれ特徴がありますね。どちらがいいとはいえませんが。日本方式の方が子供の手助けができるみたいですが、それでは子供の自立ができにくい気がしますね。春子ちゃんも凄く忙しい中頑張ってるんですね。お父さんもお母さんもしっかり理解してあげてるから大丈夫だね。

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    1. 学校がどんなシステムであっても、子供が何か一つでもいいから自分に自信を持ってくれれば、親は嬉しいですね。そうできるよう、家庭は家庭でサポートして行きたいです。

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  2. チーター9/19/2019

    磨けば誰でも取れる金メダル。
    大笑い、笑いが止まらないよー でも本当にいい言葉その金メダルを春子ちぁんと楽しみながら作っている様子が手に取るように伝わってきて終始笑いました、ほほえましい。
    金メダルは取れなくても何かにつけ一生懸命頑張る姿勢は美しい。
    希望がない毎日なんてつまらない、子供全員希望をもって金メダルを作ったように楽しんでもらいたいでーす。

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    1. 子供や自分の、苦手な部分ばかりが気にしてしまうけど、誰でも得意なことって必ずあることを忘れてはいけないなーと感じましたよ。苦手なことに対しても一生懸命に取り組みつつ、得意なことを生かして大きく育てていくと、きっと自分が好きになれるし、自信も生まれてきますよね。自分が好きになれることって大切だなって思いました。

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