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2019年8月28日

子守女の肘。Nursemaid elbow

昼間は半そでで過ごすものの、朝夕、かなり冷え込むようになり、出かける際には薄手のカーディガンか上着を持ち歩いても邪魔にならなくなりました。

それでも、まだ木々には緑が茂り、空は澄んでとても青いミネソタ。

そんな週末のちょうどお昼ごろ。
春子と太郎は、子供部屋で仲良く遊んでいました。
私はすぐ隣のダイニングルームでその声を聞きながら、何か片づけもの。

サブローさんは友達に誘われて、ターゲットフィールド(Target Field)へ、ミネソタの大リーグチーム、ミネソタツインズ(Minnesota Twins)の観戦に行っていて留守。

今日は10時のおやつが少し遅かったけど、もうそろそろ、お昼ごはんにしようかなーと思っていた時…事件は起きました。

いつもは泣いてもあっという間に泣き止み、注射でもなんでも飄々とこなす太郎が、ひどく泣いている。。。かけつけて、抱っこするも、全く泣き止まず。
痛い痛い痛い痛いと泣いている。。。

こんな泣き方は、春子なら、日常茶飯事だけれど、太郎にしては、これは尋常ではない。
抱っこして、どこが痛いか聞いてみると、「ここ、ここ。ここが痛いの」と泣きながら手首の辺りを指さす。
万歳できる?と言っても、しない。お母さんのおててを握って?と言っても、握らない。
でも指を動かして、といったら、全部動く。
ただ、泣き止むどころか、泣き方はどんどん激しく・・・。

太郎の腕を冷やしながら春子に事情を聴くと、どうやら、Bouncy Ballという、ハンドル付きの大きなボールでまたがって飛び跳ねて遊ぶおもちゃの上に、太郎が腹ばいになり、バランスを崩して床に着地。すぐ隣に本棚もあり他のおもちゃもありで、変な恰好で手をついたらしい。
春子自身もそばにいながら、その「瞬間」は見ていない。

骨折か?でも、全く腫れてこない。

これはUrgent Care(救急窓口)に行かねば・・・・。
週末なので、普段のかかりつけの病院はお休み。

アメリカは自分が加入している医療保険のグループ内の病院でないと料金が高くなる。どこでもいいから受診したら、後からとんでもない請求額に飛び上がることになる。

Urgent Careには私が以前にかかったことはあるので場所は知っているけれど、その時とは加入している医療保険が違うため、現在加入している保険のグループ内の病院に行かねば。。。

そこで、春子に頼んで携帯電話を取ってきてもらい、ツインズ観戦間近のサブローさんに電話。
状況を説明し、どこのUrgent Careに行くべきか尋ね、「帰った方がいい?」と尋ねるサブローさんには、帰ってきてもらう必要があれば再連絡すると伝え、ひとまずツインズを応援しておいてもらうことに。

私は大急ぎで財布に太郎の保険証が入っていることを確認し、おむつ・着替え・大きなバナナ2本・ナッツとレーズンの入った外出用に常備している袋、太郎と春子の水筒をバックに詰め込み、太郎のおむつを替え、春子にはお手洗いに行かせ、太郎の靴もバックに入れて、泣き叫ぶ太郎を抱っこしたまま車へ。

行先は私の美容院の近くの病院で、慣れた場所だったので迷うこともなく到着。

受付で、氏名・生年月日・電話番号・私の氏名などを伝え、保険証・免許証を提示。いろいろと手続きが済んだら、すぐに看護師さんに呼ばれ診察室へ。

こんな状態でも、体重測定・身長測定から始まり、体温測定・血中酸素測定そしてやっと問診。その後、医者が来て、レントゲン(X-ray)を撮ることとなる。

レントゲンの結果が出るまで、少し落ち着いた太郎と、付き添いの春子と私で、ケータイで記念撮影。ツインズ応援中のサブローさんに写真つきで状況をメール。持参したバナナも食べて腹ごしらえ。

レントゲンの結果は、骨折は見られず…診断はNursemaid elbow

直訳は、子守女の肘(ひじ)…。
なんだそれは・・・。

日本語では、肘内障(ちゅうないしょう)というらしいけれど、全くなじみのない響き。

骨や靭帯がまだ未熟な幼児には、よく起こることで、今回のような転落でも起こるけれど、大人が腕を引っ張ったり、服を脱ぐ際に腕がひっかかった状態で服を引っ張っても、よく起こるらしい。英語でもpulled elbow(引っ張られた肘)という別名があるのはそのため。

つまり、子守女の肘とは、子守をしている女のせいで起こった肘の状態。だと!
面白い名前だと思ったけど、由来を聞くと、名前に責められている気分になって、なんだかいやな気分…。まぁ、私の監督不行き届きに違いないけど。

それはともかく、そういえば、太郎の右腕がなんとなくまっすぐでない感じ。

そこで、お医者さんは、reductionという処置で直しますという。

太郎を寝台に寝ころばせ、寝ころんだだけで腕が痛くて泣き叫ぶ太郎の肩を私が持ち、お医者さんが、腕を(実際どうしたのかは素人にはわからないけど)きゅきゅっとして、おしまい。

普通は手ごたえがあるらしいけれど、独特の手ごたえは感じなかったみたい。
でも、確かに太郎の手がまっすぐに戻った。

すぐに普通に使えるようになる場合もあれば、5分10分後に、元通りになる場合もあるとのこと。

太郎はまだ痛い痛い痛いと泣いている…。
本当に治ったのか?
一応、もしずっとまだ痛がったらどうしたらいいのか聞くと、翌日(月曜)になっても痛かったら、今度は普通のお医者さん(regular doctor)のところに行ってみてください、とのこと。

そして、帰宅したのは午後三時半頃。

家に戻っても、まだ太郎は右腕をかばって使わない。
とにかく、市販の小児用の痛み止め薬を飲ませ、様子を見ることに。

1時間たっても、2時間たっても、太郎は右腕を使わない・・・。

その夜は、、、、太郎は痛くて、当然寝られるわけもなく、寝返りを打つたびに泣いて、夜中に二回目の痛み止めを飲ませ、私は太郎と一緒に寝たもののさっぱり寝られず、おそらく二段ベッドの上で寝ていた春子も寝られず、みんな寝不足のまま夜が明けたのでした。

明日につづく。

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