年に一回、私が誕生日ケーキを作る日。
今年も、少し前にあった、サブローさんの誕生日。
作ったケーキは、毎年恒例の失敗知らずのラムケーキ。
でも、その常識はサブローさんに出会って、覆された…。
サブローさんの家族の誰の誕生日でも、必ず登場するのが家庭で作った「手作りケーキ」。
いつでもどこでも、誕生日には手作りケーキ。
レストレランでお祝いする時でさえ、家庭で作った手作りケーキの持ち込み許可を取って、手作りケーキが登場する。。。
そんな様子を見て、「誕生日には手作りケーキを作ってお祝いする」ということは、「アメリカの常識なんだ」とすっかり刷り込まれ、「アメリカ人と結婚したからには、旦那の誕生日にはケーキを焼かなくてはならいのだ」…というプレッシャーを抱えていた結婚当初。。。。
毎年、サブローさんの誕生日が近づく度に、ああどうしよう、ああどうしよう…とレシピを探し、作って失敗したらどうしよう、ケーキ作りに失敗するとは、一体どういう状態のことをいうのかもよく分からないまま、そわそわそわそわ…としていたあの頃…。
「手作りケーキじゃなくてもいいし、誕生日にケーキがなくてもいいし、ケーキがないといけないと思うなら、買ってきたケーキでいいよ」というサブローさんの声は、全く耳に入らず…
かろうじて作れるチーズケーキを作ってみたり、友人が作っておいしかったというロールケーキを一大決心して作ってみたり…。
そうやって作ってみると案外うまくできたけど、二回目がうまくいくとは限らない…という不安と戦っていたあの頃。
ある年の私の誕生日に、このラムケーキをサブローさんが作ってくれて、二人で食べながら、「これなら、失敗せず作れるよ」とサブローさんがレシピを印刷してくれたのは、いつだっただろう???
それ以来、サブローさんの誕生日には、このラムケーキを作り続けている。。。。
そわそわしていたあの頃が、今となっては懐かしい。
今となっては、そわそわすることもなく、どうしようどうしようと悩むこともなく、毎年同じ失敗知らずのラムケーキを焼き続けている。。。。
「ケーキが焼けない。。。」
「ケーキなんて焼いたことない。」
「ケーキを焼かなければならない」
「うまくケーキを焼く自信がない」
という自信のない時代を経て…
やがて、(見かねた?)サブローさんから、このラムケーキのレシピをもらったあとも…
「このラムケーキしか焼けない」
「このラムケーキしか自信がない」
「この誰も失敗しないケーキしか焼けない」
という自己否定的な時代を経て…
現在は…
「このラムケーキなら焼ける」
「ともかく焼けるケーキがある」
「毎年ケーキを焼いている」
「これならうまくできる」
「このレシピがあってよかった」
と変化を成し遂げた。。。。
この変化は、まさに、ただ変なこだわりに捉われて自信がない時代、後ろ向き・否定的な時代を経て、現在の「なんだか前向き・肯定的」な自分自身の進化とかぶっている。。。
同じことでも、その物事の「よい面をみる」という習慣が、ついてきた…ということか?
(それとも、結婚生活も10年超えて、単にずうずうしくなってきた、ということか?)
今まで、普段の生活と、春子と太郎への声掛けを通じて、自分自身がいかに「ない」「ない」「ない」を連発していたかということに、気づいては自分でショックを受けてきた。
私自身の否定形の言動が、子供たち、特に春子や家の雰囲気に、大きく影響を与えていることを実感し、否定形を肯定に変えようと心に決めたのはいつだっただろうか?
おもちゃを出しっぱなしにしない。→おもちゃをかたづけよう。
食べながら歩かない。→座って食べよう。
くちゃくちゃ食べない。→もぐもぐ食べよう。
外は寒くて、出たくない。→外は寒いから家にいたい。
忙しくて時間がない。→やることがたくさんある。
もうなんでもかんでも、否定から肯定に言い換える日々。
言い換える必要があってもなくても、とにかく否定形「ない」で終わる文章が口から出た瞬間、心に浮かんだ瞬間に、なんでもかんでも肯定形にする。
そうしているうちに、心の中に、「ない」ことよりも「ある」ことが増えてきた。
「ある」ということに気づけるようになってきた。
そんな気がする。。。
実はずっとずっと前から、ずーっとそこにあったのけれど、気づかずにいたことに、気づけるようになってきた。
見えなかったことが、見えるようになってきた。
そして、「ある」に気が付いたら、「ありがたいなぁ」と感じることも増えてきた。
今回、「誕生日ケーキ」を通じて気づいた、自分自身の変化。
気付いたからには、変化できている自分を誉めようと思う!!
とはいえ、今もまだ、その日その日の気分によっては、心がけがどっかに飛んで行ってしまうことも多々ある。
まぁ、人間だからそれも仕方ないかなぁ、と大目に見つつ、これからも、この「誕生日の失敗なしの成功だらけのラムケーキ」の味を思い浮かべながら、肯定形の習慣をできるだけ心がけていきたないなぁ…と思う。