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2020年11月29日

ヘビのリキ作。Rikisaku the Snake

へビの工作
2年ほど年前に何かのイベントで、春子と太郎がプラスチックのおもちゃのヘビをもらった。

昔の駄菓子屋さんとか、夜店などにありそうなヘビで、短い筒上のプラスチックをつなぎ合わせてあり、尾の辺りを持つと、本物みたいな動きをするヘビ。

春子のヘビはきれいな紫。太郎のヘビはきれいな黄緑。

2人とも本物のヘビは、怖がるけれど、プラスチックのおもちゃのヘビは気に入ったようで、もらったばかりの頃は、二人とも毎日持って遊んでいた。

でも、まだまだ幼なかった太郎は、扱い方が少々乱暴で、太郎のヘビはすぐにつなぎ目が折れてバラバラになり、直せない状態になってしまった。

その後、すっかりおもちゃのヘビの存在を忘れていたものの、先日、春子がどこからか自分の紫のヘビを見つけてきた。

太郎は、「ぼくもヘビで遊ぶ」と春子のヘビに手を伸ばす。
春子は、「ダメ、これは私のヘビ

太郎「おかあさん。ぼくのヘビはどこ?」

私「太郎のヘビはね、壊れてしまって、直せなくなってしまったから、バイバイしたのよ」
太郎「…」

(しばらくしてまた…)
太郎「お母さん。ぼくのヘビはどこ?」
私「もうないのよ」

すると…
太郎(思いついたように明るい笑顔で)「お母さん。段ボールで作ろう!!」
私「あらまぁ。…それはいい考えね。じゃ、また時間があるとき作ろうね」

そして翌日
太郎「お母さん、段ボールでヘビを作ろう!!」
私「また時間があるときにね」

そしてまた翌日
太郎「お母さん、段ボールでヘビを作ろう!!」
とこれが数日続き、これはどうも太郎は諦めそうにない…と思い、さて、では作ってみようか?ということになった。

「今度は大事にしようね」
と話しながら、材料を探す。

ちょうど、トイレットペーパーとペーパータオルを取り換えたばかりで、やわらかめの厚紙の芯があった。

トイレットペーパーの芯を、くるくるとなるように少し斜めに切って、太郎に見せる。
私「できたよ~」

太郎「…これ違う。。。。怖いヘビみたいに動くのがいいの…」

…4歳は誤魔化せなかった…。

さて、…では、本気で挑戦してみましょう。

ペーパータオルの芯を短く切って、こんな具合かしら?と思いつつ、作ってみる。
糸でつなげるために、事前に千枚通しで、両端に穴を開けておく。
できるだけ手間をかけないように、長い糸を切らずに穴に通しながら、短い筒をつなげてみる。

なんと…つなげただけでは曲がらない。

どれどれ…と、ちょっと切り込みを入れてみる。
なかなかうまく動かない。。。

一度糸を全部外して、今度は春子のプラスチックのヘビを見ながら、思い切って筒の両端の左右をVの字に切り落としてみる。
一か所だけ糸でつないで試験的に動かしてみる。
おお、これなら動きそう!

全ての筒を同じ様に切り落とし、糸で、ほどよい長さになるまでつないでいく。
うん。まがるまがる。
…と…ここで、材料がなくなってしまった…!
ヘビにしては、今一つ短くて雰囲気に欠ける…。

そこで目に留まったのが、さっき却下されたトイレットペーパーの芯で作ったヘビ
これをしっぽにしよう。

おお、いい感じ。

持ち上げでみると、動く動く、本物のヘビのような動き!!

近くで遊んでいた太郎が早速やってきて、
「僕が顔を描く~!怖い顔にする!」
と張り切って「怖い顔」を描いてくれた。

私が「上手に描けたね~!ほら、もってごらん、本物みたいに動くよ~」
と言って動かして見せながら手渡そうとすると、急に太郎の顔がこわばり、手を出して受け取るどころか、手を後ろに回してしまった。

そして…
「ヘビ…こわい…」
と一言言ったきり、出来立てほやほやのヘビには見向きもせず、あっちにいってしまった…。

それから、太郎はヘビのことは全く話さなくなり、母の力作のヘビで遊ぶ様子もない…。

…久しぶりの母の力作は、力作過ぎたのか…?!
この際、このヘビを「リキ作」と名付けようか…。

今、ヘビのリキ作は、紙で作ったおもちゃばかりが入ったおもちゃ箱の中で、冬眠している…。

2 件のコメント:

  1. こんばんは。
    可愛いなあ、と思いながら読ませてもらいました。
    リアルすぎて,一瞬本物がよぎったんでしょうねえ。

    我が家の高1長男は,生き物大好きで,小さい頃はよく石垣からのぞいた蛇と綱引きしてました。素手です!

    ある日,家のゴキブリホイホイに黒いひもが!・・・やや、ひもじゃないぞ!へびだ!
    なぜ!なぜ!なぜ??
    カブトムシ用だった収納ケースの虫かごで冬眠させていたらしいと判明・・・。それ,生き埋めですから!!
    家族唖然!ということもありました。

    こどもの思考って面白いね。

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  2. 匿名さん
    長男さん!すごい!大物になりそうです!
    しかも、本物の生き物好きですね!
    いや~太郎が、怖がってくれてよかった…なんて心の中で、思ってしまいました(笑)
    もしゴキブリホイホイに「黒いひも」がいたりしたら、上から恐る恐るバケツをかぶせて、辞書を上に置いて、遠く離れて、サブローさんが帰宅するまで、監視ですね。
    子供の考えることと言うのは、大人の想像を軽く超えますね。

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