屋根瓦に登ろうとしている松の木 |
オンラインラーニングで続いている詩の課題。
月曜日から金曜日まで、さまざまなやり方とルールで、1日1作品。
私もたいだい付き合って一緒に作っているのですが、考えても考えても出来上がらない日もあれば、あっという間にできる日もあります。
なかなか完成しない日は、悩めば悩むほどに、「詩らしさ」…からはだんだん遠ざかります。
やはりひらめきがあって、何かを感じて、心の中にイメージしたりできることが大事みたいで、しっかりと何かがイメージできるときには、案外あっさりと形が出来上がってくるものです。
今日の詩は「色の詩」。
ルールは、
1、色を1つ選ぶ。
2、各文の主語は全て同じ色の名前。
3、主語の次の言葉は決まっていて、
(色の名前)looks like...(~のように見える)
(色の名前)sounds like....(~のように聞こえる・~のような音)
(色の名前)feels like....(~のように感じる・~のような感じ)
(色の名前)smells like...(~のようなにおい)
(色の名前)taste like...(~のような味)
この文の続きをそれぞれ作っていきます。
私が選んだ色は、 緑色。
緑色を選んだ途端に、ぱっとイメージが浮かびました。
すでに、一色で統一されているので、必ずしもイメージするものに統一性を持たせる必要はないのだけど、敢えて、色に加えて、連想する物にも統一性をもたせてみました。
私が作った2作品。
英語で作ったあとで、日本語にもしてみました。
ではまず一つ目。
田んぼと竹やぶ |
Green
Green looks like the moss outside of the kitchen window
Green sounds like bamboo leaves scratching each other
Green feels like comfortable wind from the rice field
Green smells like pine needles hanging over black roof tiles
Green tastes like boiled spinach with soy sauce
緑色
緑色は 台所の窓から見える 苔
緑色は こすれあう 笹の葉の音
緑色は 田んぼからの 心地よい 風
緑色は 黒い瓦の上に 垂れ下がる 松の葉の香り
緑色は お醤油をかけた ほうれんそうのおひたしの味
詩の通り、実家の台所の窓からは、緑の苔が見え、風が吹くと笹の葉の涼し気な音が聞こえ、周囲には田んぼが広がり、庭には屋根瓦の上に登ろうとしている松の木があり、畑から収穫したばかりのほうれん草で作ったおひたしは、食卓の定番。。。
将来、歳をとって、もう日本に帰る体力がなくなってしまったら、この詩を紙に書いて、実家の絵を描いて、一緒に額に入れて、壁に掛けよう…そんなことを考えました。
さて、次はもう一つの緑の詩。
緑が広がる |
Green feels like comfortable wind from field next to the house
Green sounds like John Deer tractor to pick up news paper
Green smells like weeping willows hanging down
Green taste like too big zucchini from the back yard
Green looks like a table cloth on a big party table
緑色
緑色は 家のそばの草原から吹く 心地よい風
緑色は 新聞を取りに行く トラクターの音
緑色は 垂れ下がる しだれ柳の香り
緑色は 裏庭で採れた 大きすぎるズッキーニの味
緑色は 大きなパーティーテーブルの上の テーブルクロス
こちらの詩もまた、サブローさん、もちろん、すぐに分かりました。
サブローさんの実家を詠んだ詩です。
しだれ柳 |
義父母は昨年春に、アパートに引っ越してしまったので、もう行くことができない実家。
我が家から車でほんの20分ほどなのに、遠いところとなりました。
詩を作るということは、感情や、思い出や、頭の中にあるイメージを、文字で描いていくということですね…。
同じものを見ても、同じ様に見えているわけではない。
同じ経験をしても、人それぞれ、感じ方も、捉え方も、残っていく記憶も違うもの。
詩は、そんな自分だけの感じ方や、捉え方や、記憶を、文字で描いたもの。
そのせいか、詩を作ると、何か自分の深層心理を探っているような気持ちになります。
春子の課題がなければ、普段の生活で詩を作ってみるということは、なかなかないけれど、春子と詩の課題を一緒にすることが終わっても、ときどき作ってみるのもいいかも…と、思い始めました。
でも、一人で作るのは、なんだか気恥ずかしいし、後から互いに作った詩を見せ合うという張り合いが欲しいので、春子を誘って、ときどき一緒に作ってみようかな?付き合ってくれるかな?