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2021年6月8日

ミネハハの滝。Minnehaha Falls 2021


 気温急上昇のミネソタ。
毎日摂氏32度(華氏90度)を超える。

おとといの土曜日は、摂氏37.2度(華氏99度)まで上がった。
でも、湿度は25~45度程度を保っていて非常にカラリとしている。
さらさらとしたら風も吹いていて、空気が淀む感じもない。

普段は洗濯物は全て乾燥機だけれど、週末は子供達の寝具を全部洗ったので、乾燥機で高温にできないものだけ外に干したところ、1時間程でパリッとすっきり乾いてしまった。

急に夏らしくなったミネソタでは、そろそろ学校も夏休みに入る。
すでに夏休みに入った学校も多い。

アメリカの学校では、今が学年末なので、卒業式もあちこちで開かれている。
それに伴い、アメリカらしい「高校卒業パーティー」も各家庭などで開かれている。

そんな時期、ちょうど一週間前の6月1日から、St.Paul, Minneapolisなどの多くの市で、マスク着用義務がなくなった。(例外として、学校・病院など、場所や状況によっては、まだマスク着用義務のある場合もある)

買い物に出かけても、マスクをつけていない人が増えてきた。
お店などでも、マスクをしている人と、していない人とが、半々くらい。

公共の場所にでかける際には、ずっとマスクをしていたので、急に外すとなると、なんだか気恥ずかしい。。。

さて、、、先日、太郎が
「今日は湖ではなく、滝が見たい」
というので、比較的涼しい午前中に、太郎と二人で、久しぶりにミネハハパーク(Minnehaha Park)にある、ミネハハの滝(Minnehaha Falls)を見に出かけてきた。

平日だったけれど、そこそこ人がいる。
公園内に落ちているゴミの数が、以前より多いのが少々気になりつつも、他はいつも通り、平穏な公園

滝を背景に、太郎と一緒に記念撮影しようとしていると、通りがかりの女性に、写真を撮りましょうか?とジェスチャー交じりで、声を掛けられた。
連れの人と手話で会話しているところを見ると、耳が不自由な人だろうか?
とっても素敵な記念写真を撮ってもらって、お礼を言った。
そして、あとから、気づく。。。
撮ってくれた女性にも、私も撮りましょうか?って聞いてあげればよかった。

しばらく滝を眺めた後、日陰のベンチに座って、持ってきたおやつを食べる。
ベンチが並んでいる辺りには、人がまばら。
時折、サイクリング中の人が、目の前を通り過ぎる。

少し離れた場所を、何やら一人で大声でしゃべりながら、歩いていく男性がいる。
目で追っていると、遠くにある、椅子のようなものに座り込んだ様子。
酔っぱらっているのか、座ったまま、大声て何やら怒鳴っている。

男性が座った場所が、振り返らないと様子が見えない位置と言うこともあって、どうも気になって落ち着かず、食べ終わったらすぐに場所を変える。

太郎と一緒に、もう一度、滝を眺める。

ドドドドドと、大きな音を響かせながら、流れ落ちる水。
いつもと変わらない滝の様子。


アメリカに来て12年。

まだまだ分からないことの方が多く、情けなくなることも、多々ある。
思い通りに行かないことも、多々ある。
自信のあることよりも、自信のないことの方が、よっぽど多い。
悔しい思いや、葛藤に追われることもある。
勘違いで失敗したり、迷惑を掛けたり、自分の意見や思いをうまく相手に伝えられないことも、今だに日常的にある。

この国で、何ができるだろうか?
この国で、何がしたいだろうか?

アメリカに来て12年、ずっと心の奥にある変わらぬ自問が、時折奥からぬっと出て来る。
そして、自問を始めると、だんだんと前が見えなくなる。

でも、、、、

太郎が滝を見たいと言えば、見せてやることができる。
そして、滝が見え、
滝の音が聞こえ、
太郎の手を握れて、
食べたいものを食べられて、
自分の足で歩けて、
春子とサブローさんに、今日滝を見に行ったよ!と話すことができる。

日本語で話ができる家族がいる。
元気で本が大好きな春子と太郎がいる。
サブローさんは、アメリカ在住12年とはとても思えない英語を話す私に、何一つ文句を言うこともなく「僕の漢字のレベルに比べたら、けた違いだ」と言ってくれ、私が英語の勘違いで迷惑をかけても、決して責めることなく「僕も日本に住んでいた時は、同じ様なことの連続だった」と言ってくれる。

「できない」や「ない」も確かにいっぱいあるけれど、周りには「できる」と「ある」が溢れている。

「できない」や「ない」をいくら見て嘆いても、悔しがっても、地団太を踏んでも、、、、落ち込んでも、悩んでみても、急激に状況は変化しそうにない。

「できない」を「できる」に変えられるように、努力や工夫ができるなら、それに向かって歩き始めてみてもいい。
「ない」を、努力や工夫で、「ある」に変えられるなら、それに向かって歩き始めてみてもいい。

ただ、その前に、今、目の前にある「できる」と「ある」にしっかり気づいて、ありがたいことだと、心で感じられるよう、自分の日常に思いを巡らせてみる。

ありがたい」が、心でとらえられた瞬間に、不思議と自然に、また前がすっきりと見えてくる。

前が見えてくると、今の私がすべきことは「今できることを、やっていく」ことのみなのだ…と気づく。

考えてみれば、「今できないことは、やりようもない」わけで、「今できることは、当然、今できることに限られている」わけなのだけど、そんな変えようのない現実が、前が見えない時には、どういうわけか、素直に受け止められない。

今「できる」こと、今「ある」ものに、気づいて、ありがたいと心で感じ、今の自分にできることを、一つでいいから、見つけてみる。

そして、そこでも、「今の自分にできることがあって、ありがたい」と思う心が生まれれば、きっとどんなことも、なんとかなる。。。


滝のように勢いよく水しぶきを上げて、人に注目されながら流れていくのは確かにかっこいい。
でも、淀みながらゆっくりと進む流れや、葉っぱの上に佇むわずかなひとしずくも、また、趣があっていいものだ。。。

4 件のコメント:

  1. 本当に人生は今できることをやり続けることですからね。そしてそれをありがたく思い感謝すること。そういう心持や食前のお祈りなどを英語でGraceというのは素敵だなと思います。
    どうぞ良い夏をお迎えください。

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  2. 匿名6/08/2021

    まっきぃです。

    TACOさんでも、自信を無くし、
    悔しい思いや、葛藤に追われる
    ということがおありなのですね。

    異国の地で、本当によく
    やっていらっしゃると感心して
    拝読させていただいて、
    尊敬の念を抱いておりましたので、
    驚きました。

    今日、書いてあることが、
    まさに私の気持ちそのまんまです。

    こうして代弁していただいて、
    気持ちが整理でき、
    学ばせていただきました

    いつもありがとうございます

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  3. モリヒロさん
    「人生は、今できることをやり続けること」
    「そして、それをありがたく、感謝すること」
    本当に、そうですよね。
    それにしても、私が長々と書いた、書きたかった内容が、モリヒロさんの手で、すっきり二行にまとまりましたね(笑)
    私自身、つい道を見失った時に、また進むべき道が見えるように、この二行を書いて貼っておこうと思います。
    モリヒロさんも、よい夏をお迎えください!

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  4. まっきーさん
    人って、自信を無くしたり、悔しい思いをしたり、葛藤に追われることがあって、初めて気づいたり、学べたりできることって多いって思います。
    だから、きっと必要な経験なのしょうね。
    これからも、一緒に心の整理をしていきましょう!

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